カターレ富山 第17期決算報告及び所信表明

この度、弊社取締役会において第17期(FY2023)通期決算が承認されましたので、その要約と代表取締役社長 左伴繁雄の所信表明をご報告いたします。なお、第17期通期決算につきましては、2024年4月22日に予定されている株主総会の承認を経て、Jリーグに提出いたします。

カターレ富山 第17期決算報告及び所信表明

日頃より弊社並びにトップチームをご支援いただき、厚く御礼申し上げます。本日は、昨日開催された弊社取締役会にて、第17期決算の決議をいたしましたので、その内容についてご報告いたします。

 総収益は、786百万円(昨年度比+109百万円/116%)とクラブ記録となりました。これは同じくクラブ記録となったスポンサー料収入(同118%)、物販収入(同127%)、アカデミー関連収入(同113%)、そしてJ3降格以降最高値をつけた入場料収入(同123%)が牽引したことによります。いずれも3期連続の昨年度実績超えであり、大変堅調に推移しております。社員の頑張りと法人個人の皆様によるご支援の賜物と深く感謝しております。

 一方総費用は、823百万円(同▲15百万円/98%)とチーム数増(18→20チーム)による試合数増(17→19試合)に伴う各種費用増をうまく抑え込んだ取り組みが数値に表れました。特に若返りを図りながらJ2復帰の限度ラインまでコスト削減を実施したアカデミーを含むチーム人件費(同86%)、警備体制の見直しを含む運営コスト削減に腐心した試合関連経費(同94%)等が総費用減に寄与いたしました。

 結果、損益は▲36百万(昨年度比+124百万円)の増収増益決算となりました。

 私が代表になり3期が経過いたしました。着任当初、の経営規模(約5.5億円)を見る限り「J2に戻る規模ではないな」というのが正直なところでした。J2復帰に統計上必要な強化費3.5億円に対して、2020シーズンは2.1億円、この規模では現場が疲弊しているだろうと心が痛みました。赤字を出さずに強化費3.5億円を賄うためには最低でも7.8億円の収益が必要です。当時の収益規模からして、7.8億円をキャッチアップするには最低でも3年は必要と想定いたしました。それが2023年度であり、そのラインによく社員は引っ張り上げてくれたと感謝しております。

 では、2023シーズンまでJ2復帰はお預けとしたか…私はそうしませんでした。正確にはJ2復帰の旗を下ろす空気などどこにもありませんでした。ならば過去2年間、復帰に足る強化費をつけ、稼ぎの足りない分は赤字を覚悟して内部留保を取り崩しながら凌いでいく経営を選択いたしました。この2年間を耐え凌ぐに足る蓄えを確保するため、第三者割当て増資も行い、J2復帰の日を待ちました。

 残念ながら昨シーズン、髪の毛一本の差で復帰を逃し、そして今回の赤字決算で、蓄えも殆ど底を尽きました。よって今年戦う資金は今年稼ぐお金だけで、過去2年のような蓄えの取り崩しはできません。まさに背水の陣の中での戦いとなります。幸いなことに、社員やご支援いただいた皆様のおかげで、今年度より赤字を出さずにJ2復帰に必要な強化費を賄うまでの実力がつきました。背水の陣ではありますが、「自力経営」で最後の力を振り絞って戦って参る所存です。

 右肩上がりの業績は社員と皆様の成果、赤字は私の責任です。就任初年度からJ2復帰のために、想定の範囲内で出した赤字ですが、赤字は赤字です。J2復帰は、皆様の悲願であるとともに、この財務状態を元通りにしていくためにも今年必達することを肝に銘じて走ります。

 皆様におかれましては、これまで以上のご支援をどうかよろしくお願い申し上げます。

株式会社 カターレ富山        
代表取締役社長 左伴 繁雄  「覚悟」