【活動レポート】第23回アミザーデサッカー大会に参加しました

2023年9月16日から18日にかけて、五福公園陸上競技場内で第23回アミザーデサッカー大会が開催されました。

      

この大会は、全ての人が等しくスポーツを享受することができることを基本理念に、健常者も障がい者も老若男女全ての人が、サッカーを通してふれ合い、交流することにより、互いに理解を深め、認め合い、その友情(アミザーデ)の輪を広げ、より豊かなスポーツライフを共に築いていくことを目的に開催されています。
※「アミザーデ」とはポルトガル語で「友情・仲間」の意味です。

アミザーデサッカー大会は、障がいのある方を中心にサッカー大好きな方が集まり「自分達のサッカーをしたい」「転んでも痛くない芝生の上で」というおもいからスタートしています。2000年の第1回目の開催以来、回を重ねて23年が経過しました。

さて今年も9月中旬の3連休(9/16~18)ぶっ通しのフル開催です。

1日目はウォーキングフットボール体験会。歩いて行う優しいサッカーなので初めての人でも安全に気軽に参加できます。写真では青空で天候に恵まれていますが、実際はかなり暑い……。

2日目は元日本代表選手・現サッカー解説者でもある水沼貴史さんによるサッカークリニック。お忙しいなか毎年都合をつけて富山に来て頂いています。アミザーデ大会に対する並々ならぬご厚志に感謝深謝です。

お昼ご飯にはカターレ選手も食べてる「カターレカレー」を食べてお腹いっぱいに。午後には地域別などに分かれてミニゲームも開催されました。

3日目はフレンドリーマッチ。なんと元日本代表の北澤豪さんも参加されました。ちなみに北澤さんは日本障がい者サッカー連盟会長というお立場での参加でもあります。岡島俊樹さんと寺崎謙三さんとのナイスショット。

100人近く、障がいの有無や年齢・性別・国籍に関係なく多種多様な方がごちゃまぜになって、純粋にサッカーを楽しんでおられました。終了後はカターレ特製ガパオライスで皆さんにんまり笑顔。

今回もカターレ富山インクルーシブパートナーの(株)インテック様からご支援をいただくとともに、社員の方々にもゲームに参加頂きました。
また、(株)ユニード様に、選手も食べてる「カターレカレー」や「カターレ特製ガパオライス」を作っていただきました。
そのほか、多くの大会協賛企業様やボランティアの方、関係者の方に支えられて運営が行われています。改めてご協力に感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。

 

【番外編】

今でこそ県内外から多くの賛同者が駆けつけ、世間の関心も高く、行政の後援支援も入るようになりましたが、ここに至るまでには関係者の血と汗のにじむような努力がありました。あまり語られていないとても大切なこと、特に見るべき部分をフォーカスしてご紹介しておこうと思います。

脳性まひを患う寺崎謙三さん。カターレ富山のホームゲームには毎回車椅子で駆けつける人気者です。ひょうきんな性格な一方で、サッカーのことになると熱を帯びた口調になります。
実は、彼こそがアミザーデサッカー大会の生みの親であり、23年前に富山県サッカー協会に「芝生の上でサッカーさせてほしい」と願い出た張本人です。2000年には第1回目の開催が実現し歴史を作った人物となりました。
脳性まひというハンディキャップを乗り越え、年齢を重ねても常に矢印を自分に向けている不撓不屈のファイターです。

その寺崎さんのおもいを真正面から受け止めたのが岡島俊樹さんと岡島幸子さんのご夫妻。
岡島俊樹さんは元日本代表選手で読売クラブに在籍していた往年の名選手。引退後は富山県内で教員をしていました。サッカー協会から寺崎さんの要望を聞き、盲学校で働いたことのある岡島幸子さんとともに実行委員会を立ち上げ、第一回目の開催にこぎ着けます。
設立後の約5年は競技場の理解が得られず、日程や会場の調整に苦戦されたそうです。しかし、大会に参加した富山第一高サッカー部の大塚一郎監督の働き掛けなどもあり、徐々に賛同者が増えていきました。
岡島俊樹さんはその後脳梗塞を患い現在片足が不随になってしまいましたが、今でも県内各地のインクルーシブフットボールイベントに参加されるなど精力的な活動をしておられます。
また、岡島幸子さんは、2023年に初めて設けられた富山県サッカー協会インクルーシブ委員会の初代委員長に就任。富山県内各地にインクルーシブの輪を広げようと八面六臂の活躍を見せておられ、賛同者の輪も県内各地に少しずつ広がってきています。

世間にはサッカーに限らず、好きなことをしたくてもできない立場・環境に置かれている人がたくさんおられます。そうした一人ひとりのささやかな願いは声にならずに消えていくことも多いようです。
心ある人はそうした小さな声に耳を傾けてあげてください。
寄り添うことでおもいが言葉となり、カタチとなり、人々に目的と力と喜びを与え、大きなうねりになることがあります。
インクルーシブフットボールから学べることは年齢を重ねれば重ねるほどたくさん見つけられますよ。